「今日も気づけば22時を過ぎていた…」
そんな日々が、当たり前になっていませんか?
リーダーになったばかりの頃は、
「部下に迷惑をかけたくない」
「チームの成果を出したい」
「自分が頑張ればうまくいくはず」
――そんな思いで、全力で働いてしまうものです。
でも、気づけば“誰よりも遅くまで残業している自分”がいる。
仕事を抱え込みすぎて、
「部下に任せる余裕もない」「自分の時間もない」。
一見、責任感のある立派なリーダーに見えますが、
実はその頑張り方には大きな落とし穴があります。
本記事では、そんな「残業ばかりの新人リーダー」が陥る3つの罠と、
そこから抜け出すための考え方を紹介します。
なぜ「残業ばかり」になってしまうのか
リーダー=頑張る人、という誤解
多くの新人リーダーが抱えるのは、
「自分が誰よりも頑張らなければならない」という思い込みです。
確かに、努力は大切。
でも、“頑張る方向”を間違えると、努力は報われません。
リーダーの仕事は、
「自分が動く」ことではなく、「チームを動かす」こと。
チーム全体を俯瞰して課題を見つけ、
最適な人に仕事を振り分ける。
これこそがリーダーの本当の役割なのに、
新人期はどうしても“プレイヤー感覚”のまま走ってしまいがちです。
「任せる怖さ」と「信頼できない不安」
「部下に頼むと時間がかかる」
「結局、自分で直す羽目になる」
そう感じたことはありませんか?
これは多くの新人リーダーが抱く“任せる怖さ”です。
でも、完璧を求めすぎると、いつまで経っても部下は育ちません。
部下がうまくできないのは、能力が足りないからではなく、
「経験の機会が少ないから」。
もし任せなければ、経験を積むチャンスを奪うことになります。
一見“チームのため”にやっているようで、
実は“自分の安心のため”に抱え込んでいるケースも多いのです。
「成果を出さなきゃ」というプレッシャー
リーダーになった瞬間、
数字・結果・評価が明確に見えるようになります。
その分、「成果を出さなければ」という焦りが生まれる。
でも、短期的な成果を追うあまり、
中長期のチームづくりをおろそかにしてしまう。
例えば、
「今月の目標達成のために自分が残業して対応する」
これは一見“責任感のある判断”ですが、
チーム全体の成長という観点では“マイナス”です。
残業リーダーが陥る3つの罠
①「自分がやったほうが早い」罠
最も多いのがこのパターン。
リーダー自身のスキルが高く、判断も早い場合ほど陥りやすい。
確かに、短期的にはその方が効率的です。
でもそれは、チーム力を削る選択でもあります。
部下は「どうせリーダーがやってくれる」と考えるようになり、
自分から動かなくなる。
結果、リーダーの仕事が増え、残業が当たり前になる――。
このループを断ち切るには、
“速さ”よりも“育成”を優先する勇気が必要です。
②「部下に悪いから頼めない」罠
「忙しそうだし、お願いするのは気が引ける」
「これ以上負担をかけたくない」
そんな“優しさ”が裏目に出るケースもあります。
任せることは、負担を押し付けることではなく、
信頼を示すサインです。
頼られた部下は「自分を認めてもらえた」と感じ、モチベーションが上がる。
逆に、いつまでも任せてもらえないと、
「信用されていない」と感じて距離が生まれてしまいます。
③「時間が足りない」と思い込む罠
実は、時間が足りないのではなく、
「やるべきことの優先順位」があいまいなだけ。
すべてを“重要”だと思い込むと、
結局どれも中途半端になります。
リーダーに必要なのは、“時間管理”よりも“判断力”。
何をやらないかを決めることこそ、最も重要なリーダースキルです。
📖参考:『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン)
「やることを減らすことが、成果を最大化する唯一の方法」
残業の罠から抜け出す3つの考え方
①「自分の仕事」を再定義する
リーダーの仕事は“やる人”から“動かす人”へ。
この意識を持つだけで、行動が変わります。
たとえば、
・自分がやる仕事と、部下に任せる仕事を明確に分ける
・報告を受ける仕組みを作る
・チーム全体の進捗を見える化する
こうした小さな仕組みづくりが、結果的にリーダー自身を楽にします。
②「任せる=育てる」と捉える
任せることは“手放す勇気”です。
最初はミスもあるでしょう。
でも、そのミスを一緒に振り返ることが、最大の成長機会になります。
「自分でやる方が早い」と思った瞬間こそ、
任せるチャンス。
少しずつ成功体験を積ませれば、
部下も自信を持ち、チームの生産性は自然と上がります。
③「仕事の時間」より「思考の質」に投資する
残業時間を減らすこと自体が目的ではありません。
本当に重要なのは、考える時間を確保すること。
リーダーは、常に“次の一手”を考える立場です。
夜遅くまで業務を詰め込むより、
30分早く帰って、明日の戦略を考える時間を作る方がよほど価値があります。
成果を出すリーダーほど、静かな時間を大切にしています。
まとめ|残業は“頑張り”ではなく“サイン”
残業が多いということは、
あなたが真面目で責任感の強いリーダーである証拠。
でも同時に、それは**「仕組みを見直すサイン」**でもあります。
“頑張り”を“成果”に変えるには、
「やる量」ではなく「やる意味」を考えること。
まずは、1日30分でも自分の時間を取り戻すことから始めましょう。
仕事を“削る”のではなく、“整える”。
そうして初めて、チームで成果を出すリーダーへの第一歩が始まります。
🌱あとがき
私自身も、リーダーになったばかりの頃は「自分が一番働かなきゃ」と思っていました。
でも、今振り返ると、それは“チームのため”というより“自分の安心のため”だったのかもしれません。
本当のリーダーシップは、
「頑張る」ことではなく、「活かす」こと。
あなたが残業を減らすことで、チームはもっと強くなります。
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