【リーダー失格】プレイングマネジャーで自分の時間がとれない!

マネジメント

リーダーに昇格したとき、多くの人が直面するのが「プレイングマネジャー」という役割です。
自分のプレイヤー業務をこなしながら、同時に部下のマネジメントも担う──これほど難しい役割はありません。

私自身もその一人でした。
朝から晩まで自分のタスクに追われ、気づけば部下の相談に十分に乗れない。
結局「自分の仕事も終わらない」「部下も育たない」という悪循環に陥り、残業ばかりの毎日…。
「これではリーダー失格なのではないか」と悩んだ時期もありました。

でも、そこで気づいたのです。
時間が足りないのは、自分の能力が低いからではなく、時間の使い方を間違えていたからだと。

この記事では、プレイングマネジャーが陥りがちな落とし穴と、そこから抜け出して「自分の時間」を取り戻すための考え方・実践法を紹介します。

プレイングマネジャーが陥りがちな落とし穴

プレイングマネジャーが抱える「時間がない」という悩みには、共通した原因があります。
多くの場合、それは能力の不足ではなく、次のような“落とし穴”にハマっているからです。


すべてを自分で抱え込む

「自分がやった方が早い」と思って、全部自分でやってしまう。
これはプレイングマネジャーが最も陥りやすい罠です。
確かに一時的には効率的に見えますが、結局は自分の時間を奪い、部下の成長の機会も奪ってしまいます。
結果として「仕事が終わらない」だけでなく「部下が育たない」という二重の問題を引き起こします。


優先順位がつけられず、目先の仕事に追われる

メールの返信、急な会議、上司からの突発依頼──次々と押し寄せるタスクに流されてしまう。
気づけば「本当にやるべきこと」に取り組む時間が取れないまま1日が終わってしまうのです。
この状態が続くと、いつまで経ってもリーダーとしての“戦略を考える時間”が確保できません。


「忙しい自分」に安心し、言い訳にしてしまう

プレイングマネジャーの中には、「忙しい自分」に安心してしまう人もいます。
「今日も残業して頑張った」「タスクをこなした」と思うことで、一時的には達成感を得られるからです。

しかし、実際には “忙しさ”を言い訳にして、もっと重要な仕事から逃げている場合があります。
たとえば、

  • 部下との1on1を「今は忙しいから」と後回しにする
  • チームの方針を考える時間を「そんな余裕はない」と切り捨てる

これでは、短期的には“仕事している感”は得られても、長期的にはチームも自分も成長できません。

忙しいことは決して悪ではありませんが、「本当に必要なことを避けるための言い訳」になっていないかは常に振り返る必要があります。


✅ 小まとめ

プレイングマネジャーの落とし穴は、

  • 抱え込みすぎる
  • 流されすぎる
  • 忙しさに安心し、言い訳にしてしまう

この3つに集約されます。
ここから抜け出すには、「時間の使い方」を根本から見直す必要があります。

時間を生み出すリーダーの考え方

プレイングマネジャーとして成果を出すには、時間を「作業」ではなく「投資」として扱う必要があります。
単に効率化するのではなく、自分の役割をリーダーとして再定義することが、時間を生み出す第一歩です。


「やること」ではなく「やらないこと」を決める

多くのリーダーは「やることリスト」で頭がいっぱいになっています。
しかし、本当に重要なのは「やらないことを決める」ことです。
すべてに手を出そうとすれば、時間はいくらあっても足りません。

  • 今やらなくてもいいこと
  • 誰かに任せられること
  • 実は成果に直結しないこと

これらを意識的に手放すことで、リーダーとしての時間を確保できます。


自分しかできない仕事に集中する

プレイヤーとしてのタスクを全部こなそうとすれば、いつまでも「作業屋さん」のままです。
リーダーの役割は、チーム全体に大きな成果を出させること
だからこそ、自分にしかできない仕事(ビジョンを示す、方向性を決める、部下を育てる)に時間を振り向けるべきです。

逆に、誰でもできる仕事に時間を費やすのは、リーダーとしての責任放棄にもつながります。


「管理」ではなく「仕組み化」でチームを動かす

「細かく指示しないと部下が動かない」と悩むリーダーは少なくありません。
しかしそれは、多くの場合「仕組み」がないからです。

  • 定例の振り返りで進捗を共有する
  • 判断基準をあらかじめ明文化する
  • 権限を委譲し、任せても安心できる仕組みをつくる

こうした仕組みを整えれば、リーダーは逐一見張らなくてもよくなり、結果として自分の時間が生まれます。


✅ 小まとめ

時間を生み出すリーダーの考え方は、

  • やらないことを決める
  • 自分にしかできないことに集中する
  • 仕組みを整えてチームを自走させる

この3つです。
「忙しいからできない」ではなく、「リーダーだからこそ時間をつくる」という発想への転換が求められます。

私自身の体験談

私自身も、かつては典型的な「時間に追われるプレイングマネジャー」でした。


全部自分でやって疲弊した日々

リーダーに昇格した直後は、「部下に迷惑をかけてはいけない」と思い込んでいました。
その結果、部下のタスクまで自分が抱え込み、誰よりも残業していました。
確かに一時的には仕事は回りましたが、私は疲弊しきり、部下も「自分は信用されていないのか」とモチベーションを失っていったのです。


「忙しい」を言い訳にしていた自分

さらに、今振り返ると「忙しいからできない」を言い訳にしていた部分もありました。
部下一人ひとりとじっくり向き合うこと、チームの方向性を考えること──本来リーダーに必要なことを、「今はそんな余裕はない」と後回しにしていたのです。
これは単に、目の前のタスクに逃げ込んでいたに過ぎませんでした。


思い切って任せてみたら…

そんな状況を変えたのは、「任せる勇気」を持ったことでした。
最初は不安でしたが、思い切って部下に業務を渡し、任せきってみたのです。
すると、部下は想像以上に成長し、チーム全体が回りやすくなりました。
同時に私自身も、戦略やチームの方向性を考える時間を確保できるようになり、リーダーとしての役割を果たせるようになっていったのです。


✅ 小まとめ

この経験から学んだのは、

  • 全部抱え込むのは自分も部下も不幸にする
  • 「忙しい」を言い訳にすると大事な仕事から逃げてしまう
  • 任せることが、時間を生み出す最良の方法

ということです。

書籍から学べるヒント

私の失敗や体験だけでなく、多くのリーダーが時間の使い方に悩んできました。
その中で参考になったのが、以下の3冊です。


『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン)

「より少なく、しかしより良く」。
本当に大事なことに集中するためには、やらないことを決める勇気が必要です。
プレイングマネジャーにとっては、「この仕事は本当に自分がやるべきか?」を常に問い直すことが重要だと気づかされます。


『経営者の条件』(ピーター・ドラッカー)

ドラッカーは「時間は最も貴重な資源である」と言っています。
いくら能力があっても、時間の使い方が間違っていれば成果は出ません。
特にリーダーは「時間の使い方=成果の質」に直結するため、自分の時間を意識的にコントロールすることが求められるのです。


『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)

第3の習慣「最優先事項を優先する」は、まさにプレイングマネジャーに欠かせない考え方です。
「緊急だが重要でないこと」に振り回されず、「重要だが緊急ではないこと」に時間を投資する──この発想ができるかどうかで、リーダーとしての成果は大きく変わります。


✅ 小まとめ

これらの本に共通しているのは、
「リーダーは忙しさに流されるのではなく、時間を意識して選び取る存在である」
ということです。
プレイングマネジャーこそ、時間の使い方を学び直す必要があります。

今日からできる3つの実践ステップ

「考え方はわかったけど、具体的に何をすればいいの?」
そんな方のために、プレイングマネジャーが今日から取り組めるシンプルな3つのステップを紹介します。


1. 仕事を「やる/任せる/捨てる」に仕分ける

まずは、自分が抱えているタスクをリストアップしてください。
そしてそれを「自分がやる」「部下に任せる」「そもそもやめる」に分けます。
この仕分けをするだけで、驚くほど無駄な仕事や、自分で抱える必要のない仕事に気づくはずです。


2. 毎週“戦略を考える時間”をカレンダーにブロックする

リーダーの仕事は「考える時間」を確保すること。
しかし流されていると、重要だが緊急ではない時間はすぐに奪われてしまいます。
そこで、毎週1〜2時間でも「戦略やチーム方針を考える時間」をスケジュールにブロックしてしまいましょう。
これは自分自身とチームへの“投資時間”です。


3. 任せるときは「期待する成果」を明確に伝える

ただ「これお願い」とタスクを渡すだけでは、部下は迷ってしまいます。
任せるときは「どうやるか」ではなく「何を達成してほしいのか」を伝えることが大切です。

  • どんな成果を期待しているのか
  • どの期限までに必要なのか
  • どんな判断基準でOKとするのか

この3つをセットで伝えれば、部下は安心して動けますし、リーダーも細かく管理する必要がなくなります。


✅ 小まとめ

プレイングマネジャーが「自分の時間」を取り戻すためには、

  1. 仕事を仕分ける
  2. 考える時間を守る
  3. 任せ方を工夫する

この3つの習慣が大きなカギになります。
忙しさを言い訳にするのではなく、リーダーとして「時間をつくる」意識を持ちましょう。

まとめ

プレイングマネジャーは、自分の業務とマネジメントを両立させなければならない難しい役割です。
だからこそ「忙しいのは仕方ない」と思い込み、気づけば時間に追われ続けてしまいます。

しかし、今回お伝えしたように、

  • すべてを自分で抱え込まず
  • 本当に大事なことを選び取り
  • 部下を信じて任せる仕組みをつくる

これらを実践することで、リーダーとしての「時間」を生み出すことは可能です。

私自身も「忙しさ」を言い訳にしていた時期がありましたが、思い切って任せ方を変えたことで、自分の時間を取り戻し、チーム全体の成果も安定するようになりました。

リーダーにとって、自分の時間を守ることはワガママではなく責任です。
今日から小さな一歩でいいので、時間の使い方を変えてみてください。
その積み重ねが、あなた自身の成長にも、部下の成長にも、そしてチーム全体の成長にもつながっていきます。


📖 補足で参考になる本としては、

  • 『エッセンシャル思考』:やらないことを決める大切さ
  • 『経営者の条件』:時間こそ最も貴重な資源
  • 『7つの習慣』:最優先事項を優先する習慣

などがあります。これらを一緒に学ぶことで、より実践的に「時間の使い方改革」が進められるはずです。

時間を生み出せるようになったら、次に大事なのは「人との関わり方」です。
特に多くの新人リーダーがつまずくのが「年上部下」との関係。
👉 詳しくは、年上部下との接し方をまとめたこちらの記事をご覧ください。

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