「本を読みたいけど、時間がない」「積読ばかりが増えていく」「気づけば1ヶ月1冊も読めていない」
新人リーダーになると、プレイヤー時代より責任が増え、会議や部下対応に追われる日々。帰宅すれば疲れ果てて、本を開く気力もない。そんな状況に陥っていませんか?
リーダーとして成長するには継続的な学習が不可欠です。しかし現実問題として、まとまった読書時間を確保するのは至難の業。そこで注目したいのが「オーディオブック」です。
通勤電車の中、車の運転中、ジョギング中、家事をしながら。これまで何気なく過ごしていた時間が、すべて学習の場に変わります。往復1時間の通勤なら、週5時間、月20時間もの学習時間が生まれます。これは月に2〜3冊の本を読むのに十分な時間です。
この記事では、忙しい新人リーダーのためのオーディオブック活用術と、通勤時間で学べるおすすめの本を紹介します。「時間がない」を言い訳にせず、耳から学ぶ習慣を身につけましょう。
なぜ忙しいリーダーにオーディオブックが最適なのか
メリット1: 「ながら学習」で時間を有効活用できる
オーディオブックの最大の利点は、手と目が塞がっていても学習できることです。
- 通勤電車の中: 満員電車でも、スマホを取り出さなくても学べる
- 車の運転中: 安全に運転しながらインプットできる
- ジョギング中: 体も心もリフレッシュしながら知識を得られる
- 家事をしながら: 料理や掃除の時間が学習時間に変わる
- 身支度中: 朝の準備時間も無駄にしない
私自身、往復1時間の通勤時間を全てオーディオブックに充てるようになってから、月の読書量が3倍に増えました。以前は「本を読む時間がない」と嘆いていましたが、実は活用できていない時間がたくさんあったのです。
メリット2: 目と手の疲労から解放される
新人リーダーの仕事は、PC作業、資料作成、メールチェックなど、目と手を使う作業ばかり。帰宅後にさらに本を読むのは、身体的にも精神的にも負担が大きいものです。
オーディオブックなら、目を休めながら学習できます。通勤中に目を閉じて聞くこともできますし、画面を見続ける必要もありません。特にブルーライトを浴び続けている現代人にとって、「耳から学ぶ」という選択肢は、健康面でもメリットがあります。
メリット3: 繰り返し聞いて記憶に定着させやすい
紙の本を3回読み返すのは大変ですが、オーディオブックなら通勤中に自然と繰り返せます。
1回目: 全体の流れを掴む(1.0倍速) 2回目: 重要なポイントを意識して聞く(1.2倍速) 3回目: 復習として聞き流す(1.5倍速)
重要な箇所は巻き戻して何度も聞けるので、記憶への定着率が高まります。私は『リーダーの仮面』を3回聞いて、ようやく内容が自分のものになった実感がありました。
メリット4: 学習のハードルが下がる
「本を読む」という行為には、それなりの気合いが必要です。椅子に座って、本を開いて、集中して読む。疲れている時は、このステップすらハードルになります。
一方、オーディオブックは「再生ボタンを押すだけ」。このハードルの低さが、継続的な学習を可能にします。「とりあえず再生してみる」という軽い気持ちで始められるので、習慣化しやすいのです。
効果的なオーディオブック活用法
オーディオブックは、ただ聞き流すだけでは効果が半減します。以下の活用法を実践することで、学習効果を最大化できます。
活用法1: 時間帯と場面で使い分ける
朝の通勤時間(集中力が高い): 新しい知識のインプットに最適。マネジメント本、ビジネススキル本など、しっかり理解したい内容を聞きます。朝は頭がクリアなので、難しい内容も入ってきやすいです。
帰りの通勤時間(疲れている): モチベーション系、自己啓発系の本がおすすめ。『嫌われる勇気』のような対話形式の本は、疲れていても聞きやすく、心に響きます。
ジョギング・ウォーキング中: リズミカルな内容や、繰り返し聞きたい本を。運動しながら聞くと、なぜか記憶に残りやすいという研究結果もあります。
家事中: 聞き流しでも理解できる、2回目以降の復習に。料理や掃除をしながらでも、重要なポイントは耳に残ります。
活用法2: メモアプリと併用する
オーディオブックを聞きながら、気になった箇所はすぐにメモします。私が実践している方法を紹介します。
スマホの音声入力を活用: 歩きながらでも、音声入力なら手軽にメモできます。「リーダーは感情ではなくルールで管理する」のように、キーワードだけでも記録しておけば、後で見返した時に思い出せます。
タイムスタンプをメモ: 「15:30の内容が重要」とメモしておけば、後でその箇所だけ聞き返せます。完璧にメモしようとせず、目印だけ残すイメージです。
通勤後の3分振り返り: 会社に着いたら、or 帰宅したら、3分だけ振り返りの時間を取ります。「今日聞いた中で一番印象に残ったこと」を1つだけメモ。これを習慣にすると、学びの定着率が格段に上がります。
活用法3: 再生速度を戦略的に使う
1.0倍速: 初回聞く時 まずは通常速度で、内容の全体像を掴みます。ナレーターの声のトーンや間も含めて、著者の意図を感じ取ります。
1.2〜1.5倍速: 2回目以降 内容が頭に入っている状態なら、少し速めでも理解できます。時間効率が上がるだけでなく、集中力も高まります。
0.8倍速: 難しい部分 専門用語が多い箇所や、理論的な説明は、少しゆっくり聞くと理解しやすくなります。
慣れてくると、初回から1.5倍速でも十分理解できるようになります。私は今、ほとんどの本を1.5倍速で聞いています。
活用法4: 要約サービスと組み合わせる
パターン1: 要約→オーディオブック flier(フライヤー)などの要約サービスで概要を掴んでから、気になる本をオーディオブックで深く学ぶ。事前知識があると、オーディオブックの理解度が格段に上がります。
パターン2: オーディオブック→要約 オーディオブックで一度聞いた本を、要約で復習する。重要なポイントを短時間で思い出せるので、記憶の定着に効果的です。
私は月額2,200円のflierと、月額1,500円のAudibleを併用しています。合計3,700円の投資で、月に5〜6冊分の知識を得られるので、コストパフォーマンスは非常に高いと感じています。
通勤時間で学べるおすすめオーディオブック5選
新人リーダーに特におすすめの、オーディオブックと相性の良い本を5冊紹介します。
1. 『リーダーの仮面』安藤広大(Audible)
おすすめ度: ★★★★★ 再生時間: 約4時間
ナレーションが非常に聞きやすく、内容も実践的。「優しいだけのリーダーにならない」ための5つのポイントが明確で、音声だけでも十分理解できます。
特に「感情ではなくルールで管理する」という考え方は、繰り返し聞くことで腹落ちします。私は通勤中に3回聞いて、ようやく自分のマネジメントに取り入れられるようになりました。
こんな人におすすめ:
- 部下との距離感に悩んでいる人
- 「嫌われたくない」という思いが強い人
- プレイヤーからマネジャーへの意識転換ができていない人
2. 『THE TEAM 5つの法則』麻野耕司(audiobook.jp)
おすすめ度: ★★★★★ 再生時間: 約5時間
チームビルディングの全体像を体系的に学べます。リクルートやサイバーエージェントなどの事例が豊富で、音声だけでもイメージしやすい構成です。
「目標設定」「人員選定」「意思疎通」「意思決定」「共感創造」という5つの法則が明確で、自分のチームに当てはめて考えやすいのが特徴。ジョギング中に聞くと、体も心もリフレッシュしながら学習できます。
こんな人におすすめ:
- チームマネジメントの全体像を掴みたい人
- 日本企業の事例から学びたい人
- 実践的なフレームワークを求めている人
3. 『嫌われる勇気』岸見一郎、古賀史健(Audible)
おすすめ度: ★★★★★ 再生時間: 約7時間
哲人と青年の対話形式なので、オーディオブックと相性抜群。ラジオドラマを聞いているような感覚で、内容がスッと入ってきます。
アドラー心理学をベースにした対人関係の考え方は、リーダーシップにも直結します。「課題の分離」「承認欲求からの解放」など、部下との関係で悩む新人リーダーにとって、目から鱗の内容です。
何度聞いても新しい気づきがある名著。私は5回以上聞いていますが、その時々の状況によって響く部分が変わります。
こんな人におすすめ:
- 部下にどう思われているか気になる人
- 対人関係に疲れている人
- 自分らしいリーダーシップを見つけたい人
4. 『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー(Audible)
おすすめ度: ★★★★☆ 再生時間: 約13時間
自己啓発の定番中の定番。長時間コンテンツですが、章ごとに区切られているので、通勤時間で少しずつ聞き進められます。
紙の本で読むと、分厚さに圧倒されて挫折しがちですが、オーディオブックなら1ヶ月かけてゆっくり完走できます。「主体的である」「重要事項を優先する」など、リーダーに必要な原則が体系的に学べます。
読書では流してしまいがちな部分も、音声で聞くとしっかり頭に入るのが不思議です。
こんな人におすすめ:
- 自己啓発の古典を学びたい人
- 長期的な視点で自分を成長させたい人
- 時間管理や優先順位付けに悩んでいる人
5. 『心理的安全性のつくりかた』石井遼介(audiobook.jp)
おすすめ度: ★★★★★ 再生時間: 約5時間
Googleが提唱した「心理的安全性」を、日本の職場に落とし込んだ内容。具体例が豊富で、音声でも理解しやすい構成になっています。
「まずリーダーが弱みを見せる」「失敗を責めず学びに変える」など、明日から実践できるアクションが満載。チーム運営に悩む新人リーダーにとって、通勤中に聞くだけで明日からのヒントが得られます。
ナレーションも落ち着いた声で聞きやすく、朝の通勤時間に最適です。
こんな人におすすめ:
- チームの雰囲気が重いと感じている人
- メンバーが本音を言ってくれないと悩んでいる人
- 心理的安全性について具体的に学びたい人
主要オーディオブックサービスの比較
Audible(Amazon)
月額料金: 1,500円 特徴:
- 12万冊以上が聴き放題
- ビジネス書、自己啓発書のラインナップが豊富
- Amazonアカウントで簡単に始められる
- オフライン再生可能
- 30日間の無料体験あり
おすすめポイント: 海外のベストセラーから日本の実用書まで、幅広いジャンルをカバー。特にビジネス書の品揃えが充実しています。Amazonプライム会員なら、さらにお得に利用できる特典もあります。
audiobook.jp
月額料金: 聴き放題プラン1,330円 or 単品購入 特徴:
- 日本語コンテンツが充実
- ビジネス書、自己啓発書、小説まで幅広い
- 単品購入も可能(買い切り型)
- オフライン再生可能
- 14日間の無料体験あり
おすすめポイント: 日本の著者による本が豊富。特に国内のビジネス書を聞きたい人におすすめ。月によって読む量が変わる人は、単品購入を選べるのも魅力です。
flier(フライヤー)
月額料金: ゴールドプラン2,200円 特徴:
- 1冊10分で要約を読める・聞ける
- 3,000冊以上の要約が読み放題
- 毎日1冊、新しい要約が追加される
- 音声再生機能付き
- 7日間の無料体験あり
おすすめポイント: 本の全文ではなく、要約を効率的にインプットしたい人向け。多読したい人、まず概要を知りたい人に最適。通勤時間が短い人にもおすすめです。
どのサービスを選ぶべきか?
パターン1: じっくり学びたい → Audible or audiobook.jp 1冊をしっかり聞いて、深く理解したい人はこちら。月に2〜3冊のペースで学習する人に最適です。
パターン2: 多読したい → flier 幅広いジャンルから要点だけを効率的に吸収したい人はこちら。月に10冊以上の要約を聞ける計算になります。
パターン3: 両方使う(おすすめ) 私はflierで要約を聞いて、気になった本をAudibleで深掘りするスタイルです。合計3,700円の投資で、月に5〜6冊分の知識を得られています。
オーディオブック学習を成功させるコツ
コツ1: 最初の1週間は「習慣化」に集中する
いきなり難しい本を選ぶと、挫折しやすくなります。最初の1週間は、内容より「毎日聞く習慣」を作ることに集中しましょう。
対話形式の本や、ストーリー性のある本は、聞きやすくておすすめです。『嫌われる勇気』や『夢をかなえるゾウ』のような本で、まずオーディオブックに慣れるのが成功の秘訣です。
コツ2: 完璧主義を捨てる
「全部理解しなきゃ」と思うと、プレッシャーになります。オーディオブックは、聞き流すだけでも十分価値があります。重要な部分は自然と耳に残りますし、気になったら巻き戻せばいいだけです。
「とりあえず再生する」くらいの軽い気持ちで続けることが、長期的な学習につながります。
コツ3: 図表が多い本は避ける
オーディオブックに向いていない本もあります。グラフや図表が多い本、専門的な数式が出てくる本、レイアウトが重要な本などは、紙の本で読む方が効率的です。
逆に、物語形式、対話形式、事例中心の本は、オーディオブックと相性抜群。購入前に、サンプルを聞いて確認するのがおすすめです。
コツ4: イヤホン選びも重要
長時間聞くなら、耳が痛くならないイヤホン選びも大切です。
通勤電車: ノイズキャンセリング付きイヤホン 周囲の雑音をカットして、集中して聞けます。AirPods ProやSONYのWF-1000XM5などがおすすめ。
ジョギング: 骨伝導イヤホン 耳を塞がないので、周囲の音も聞こえて安全。Shokzなどの骨伝導イヤホンが人気です。
寝る前: 寝ホン 横になっても痛くならない、睡眠専用のイヤホンもあります。ただし、寝落ちして内容を聞き逃すことも(笑)
私のオーディオブック活用体験談
最後に、私自身がオーディオブックを取り入れて変わったことをシェアします。
始める前の状況
新人リーダーになった当初、「マネジメントを学ばなきゃ」と焦っていました。しかし現実は、朝8時に出社して夜9時に退社。帰宅すれば疲れ果てて、ソファに倒れ込むだけ。積読が増える一方で、「このままじゃダメだ」と自己嫌悪に陥る日々でした。
オーディオブックとの出会い
ある日、同僚から「通勤中にオーディオブック聞いてる」と聞いて、試しにAudibleの無料体験に申し込みました。最初に聞いたのは『嫌われる勇気』。対話形式で聞きやすく、気づけば通勤時間があっという間。「これなら続けられるかも」と思ったのがきっかけです。
3ヶ月後の変化
オーディオブックを始めて3ヶ月。往復1時間の通勤時間で、月に3冊のペースで学習できるようになりました。読書量が3倍に増えただけでなく、以下のような変化がありました。
- 部下とのコミュニケーションが改善した
- マネジメントの引き出しが増えた
- 通勤時間が苦痛ではなくなった
- 自己投資している実感が、自信につながった
特に『リーダーの仮面』を3回聞いて実践したことで、部下との距離感の取り方が明確になり、チーム運営がスムーズになりました。
失敗談も
もちろん、失敗もありました。最初は図表が多い『ファイナンス思考』を選んでしまい、全く理解できず挫折。また、倍速に慣れるまでは、内容が頭に入らないこともありました。
でも、「自分に合う本」「自分に合う速度」を見つければ、オーディオブックは最強の学習ツールになります。
まとめ: 今日から始める「耳から学ぶ」習慣
忙しい新人リーダーにとって、「時間がない」は言い訳にすぎません。通勤時間、隙間時間を活用すれば、十分な学習時間は確保できます。
オーディオブックは、その可能性を最大限に引き出すツールです。
まず今日やるべきこと:
- AudibleかAudiobook.jpの無料体験に申し込む
- 今回紹介した5冊の中から1冊選ぶ
- 明日の通勤時間に再生ボタンを押す
たったこれだけです。完璧を求めず、まず1週間続けてみてください。1週間後には、通勤時間が「学びの時間」に変わっていることを実感できるはずです。
時間は作るものではなく、見つけるもの。あなたの耳は、まだ十分に活用されていません。今日から「耳から学ぶ」習慣を始めて、忙しい中でも成長し続けるリーダーを目指しましょう。
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